咬み癖について|片側だけで噛み続けることの負担
人間の体には、対になっているものが多くあります。
目、耳、鼻の穴、腕、足。
特に足は分かりやすいと思います。
片方の足を骨折したり、傷めたりすると、無意識のうちにその足をかばいます。
すると、反対側の足には、通常以上の負担がかかります。
元に戻れば、また両足で歩けるようになります。
しかし、私の専門は「歯」です。
歯にも、これに似たことが起こります。
私たちは、毎日の食事の中で、左右均等に噛んでいるようでいて、実はどちらか片側で噛んでいることが多くあります。
これを、私は「咬み癖」と考えています。
左右上下の歯がしっかり揃っている方であれば、まだよいのですが、患者さんを診ていると、奥歯が1本欠損したままになっている方も少なくありません。
日常生活に大きな支障がない。
食事も普通にできている。
痛みもない。
そうなると、どうしてもそのままになりがちです。
しかし、1年365日、毎日食事をします。
そのたびに片側だけで噛み続けていると、年齢を重ねるごとに、反対側の歯に負担が蓄積していきます。
本日も、そのような患者さんが2名いらっしゃいました。
どちらの方も、欠損している側ではなく、その反対側の歯に問題が起きていました。
診療中、私はロールワッテを噛んでいただき、
「いつものように、意識しないで奥歯で噛んでください」
とお伝えしました。
すると、やはり欠損のない側でワタを噛まれていました。
ご本人は無意識です。
しかし、体は正直です。
噛みやすい側で噛んでいるのです。
今現在、痛みがない。
食事に困っていない。
だから大丈夫。
そう思われる方も多いと思います。
しかし、歯は毎日使うものです。
片側だけに負担がかかり続ければ、いずれその歯が疲弊してしまうことがあります。
欠損している部分には、やはり何らかの対応をしておいた方がよい場合があります。
ブリッジ、入れ歯、インプラントなど、方法はいくつかありますが、大切なのは、今ある歯を守るという視点です。
歯が1本ないことは、その場所だけの問題ではありません。
反対側の歯、噛み合わせ、そして将来のお口全体に影響していくことがあります。
富士歯科医院では、今痛いところだけを見るのではなく、これから先、歯を長く使っていただくために、噛み癖や噛み合わせの負担も大切に診ています。
そして、そもそも歯が欠損してしまうきっかけの多くは、虫歯や歯周病です。
いつも同じことを申し上げていますが、やはり大切なのは、そうなる前の継続的な歯のメンテナンスです。
虫歯や歯周病を発症させない。
その結果として、歯を失うリスクも少なくなる。
歯が欠損しなければ、片側だけで噛む癖も起こりにくくなります。
そして、残っている歯に過度な負担がかかることも防ぎやすくなります。
つまり、歯で苦労しないためには、痛くなってから治すのではなく、痛くなる前に守ることが大切なのです。
歯のメンテナンスは、今から始めても遅くありません。
むしろ、今が始めどきです。
富士歯科医院では、虫歯や歯周病を発症させないための継続的な歯のメンテナンスを大切にしています。
歯で苦労しない人生のために、ぜひ歯のメンテナンスを始めましょう。




