虫歯の正体①
20年近く、歯のメンテナンスに通っていただいているご家族の奥様。
ある時、それまで安定していたのに、急に虫歯ができてしまったことがありました。
「Oさん、ここが虫歯になってしまいましたね」
「そうなんですよ。いつも気を付けていたんですけど」
「最近、食生活や生活環境で何か変わったことはありませんでしたか?」
「いいえ。先生に言われたように、飲み物は水かお茶。のど飴も最近はやめました」
「そうですか。それにしても急に虫歯になりましたね」
「そうなんです。私も注意していたのでショックです」
どうも腑に落ちません。
しばらくお話をしていると、ふと以前、お嬢さんがテニスラケットを持って来院していたことを思い出しました。
「お嬢さん、テニス部でしたよね?」
「もう部活はやめて、最近はアルバイトをしているんです」
「そうなんですね。何のアルバイトですか?」
「パン屋さんです」
「いいですね。パン屋さん、お嬢さんにぴったりじゃないですか」
「そうなんです。私もパンが大好きで、毎日、売れ残った菓子パンを娘が持ち帰ってくるので、一緒に美味しくいただいています」
「え? 毎日、菓子パンを?」
そこで私はピンときました。
「Oさん、お嬢さんがアルバイトを始めたのはいつ頃ですか?」
「1か月半くらい前です」
「ということは、それから毎日のように菓子パンを食べているんですか?」
「はい。美味しくいただいています」
「Oさん、虫歯ができた原因が分かりましたよ」
「何ですか? 私、気を付けていましたけど……」
「その毎日食べている菓子パンです」
「えーっ、そうだったんですか?」
虫歯は、単に歯磨きをしているか、していないかだけで決まるものではありません。
何を食べるか。
そして、どのくらいの頻度で口の中に糖質が入ってくるか。
この「食べる頻度」が、とても重要なのです。
Oさんは歯磨きにも気を付け、飲み物も水かお茶、のど飴もやめていました。
ところが、ご本人もあまり意識していなかった「毎日の菓子パン」という新しい習慣が加わっていました。
「それなら娘と相談して、パンは持ち帰らないようにします」
その後、Oさんの虫歯の治療も無事に終了。
それ以来、新しい虫歯や歯周病もなく、安定した状態を保ちながら、現在も4か月に1回、継続して歯のメンテナンスに通われています。
そして最近、パン屋さんでアルバイトをしていた下のお嬢さんもご結婚されました。
幸せいっぱいのご家族です。
歯の状態が急に変わった時には、必ず何か理由があります。
歯だけを見るのではなく、その方の生活の変化まで伺うことで、思わぬところに「虫歯の正体」が隠れていることがあります。
これからも継続的な歯のメンテナンスを続けてまいりましょう。
北区・田端で歯のクリーニング、予防歯科、定期メンテナンスをお考えの方は、富士歯科医院へお気軽にご相談ください。




